入学式が済んだら記念写真を撮った。当然、入学記念の写真だと思ったら大間違いだった。卒業記念の写真であった。何でも、卒業するまでに、多くの生徒が退学するので、今の内に全員の写真を撮っておくのだそうである。 続きを読む
月別アーカイブ: 2012年12月
第6話 無能力の役立たず
私はこの店に入り、三年間というもの、朝から晩まで先生からぼろ糞に言われ続けてきた。他の人は何も言われないのである。いい加減うんざりしていた。終いには慣れてしまい何を言われても右から左へ抜けて、へっちゃらになっていた。しかし、そうなるまでには色々とあった。 続きを読む
第5話 リポビタンDと用心棒
先生は私に、支店勤務の半年間以外は毎日々、三年間続けて、リポビタンDを「1本だけ」近くの薬局へ、買いに行かせたのだ。この薬局は小さな店で、繁華街の中にあるせいか、二日酔いの薬、酔い防止の薬やコンドームは箱無しで中身だけが、それぞれが大量に陳列してあった。そこは最初、初老の経営者と奥さんらしき人がいたが、途中、奥さんらしき人と大学を卒業した位の若い娘とが交代した。この若い娘は経営者の娘か近い親族と思われる。時間によっては娘だけの時もあった。 続きを読む
第4話 ストレス
この店のメニューの一つにオイルシャンプーがあった。これは発毛、フケ止めに効果があったと思う。程好く暖めたオリーブ油に硫黄を適量入れ、頭皮に付け、赤外線を適当な時間照射し、マッサージを行い、あと普通にシャンプーをするのである。これによって頭皮の血行をよくし、発毛を促すのである。この赤外線照射は、薬の副作用等で脱毛した患者の発毛を促す為に、当時、病院でも盛んに行われていた。 続きを読む
第3話 高利貸しのKさん
午前10時頃だと思う。Kさんが店に寄り、主任に「これから貸し金回収に行くのだが、なかなか返さないので困っている」と、話していた。帰り際に主任は「頑張って」と、言った。Kさんが調髪に来店する時以外で、店に寄ったのは初めての事である。普段でも、遊びに来る御客は一人もいない。この日は、非常に珍しい日になった。 続きを読む