私が一人で仕事をしていたら、まもなく二人の女性が入店した。二人とも気立てのよい美人であった。彼女らは楽しく仕事をしていた。店は以前より忙しくなった。
私は気を使った。生理の時には日頃大人しい人でも驚くほど激しい性格になる人もいるし、逆になる人もいる。とくにこの仕事は刃物を使う仕事なので気が抜けない。周期的にそろそろと思い、大にしては時間が短く、小にしては長い場合、来たのである。こんな時は特に気を使う。朝合うと「おっはよー」なんて感じである。もし何時まで経っても来ないようなら、また別の面で気を使わなくてはならなくなる。
営業時間が長いので、開店時間を大幅に過ぎても未だ彼女達が化粧をしていても何も言わない。女の人は納得いくまで化粧をしたいのだ。御客が混んでくると「もうそろそろ御願いします」と言って彼女達を呼んだ。
この二人は、私が結婚したら間もなく辞めた。後で分かった。この二人は私が独身だから入店したのだ。そして結婚したので辞めたのだ。この心理が当時の私には全くわからなかった。私が22歳から23歳の間の出来事である。