第11話 嫌われ先生

理容専門学校には非常に嫌われている先生がいた。私も大嫌いであった。しかしこの年になって考えると、嫌われ先生は組織の中で悪役をしていた様な気がする。この悪役先生の御蔭で、人気の或る先生が存在出来た様な気がする。何事も理想だけでは成り立たない処がある。現実問題として、感じの悪い事を感じ悪く言わなくてはならないことも在る。

人気の在る先生がそれを言ったら、人気は無くなる。しかし、誰かが言わなくてはならない。そこで悪役先生の登場なのである。分が悪い役どころであるが、組織の中では誰かが自然に成るみたいである。