第22話 応援

こんなことを書いても信じてもらえないと思うが本当なのである。当時私は半年間の御客のデータを全て記憶していた。誰が、何時、5台ある中のどの椅子で調髪したか、御客の注文は、クレームは、全て記憶していた。私が次回担当した時必ず御客に満足してもらうようにするためである。

私は御客の注文をしっかりと覚えていた。一回目に御客の満足しなかった箇所は、次回は必ず満足するように調髪をしたのである。そうして必死で仕事をした。何時の間にか御客の方が私を一人前にしてやろうと応援しだした。本当にありがたいことだ。私はその気持ちに応える為、初回よりも2回目はもっとよい仕事を3回目はもっとと言うように絶えず技術の向上を図った。

講習会の行き帰りに電車の中で思った。この電車一両分の人数ぐらい私のファンがいたらどんなに良いことか。私は思った。毎日一人ずつフアンを増やしたら一年で達成する。「やるぞ!」と思った。