理容専門学校へ入学して二日目、担任のN先生が「これから席順を決める、皆さんに意見が無いなら私が決める」と、言った。私は咄嗟に、N先生は年輩なので右半分男、左半分女という席順になると思った。そうなってはつまらないと思い、挙手した。先生に言った「男と女を前後左右入れ違いにサンドイッチになるようにして下さい」クラス中に歓声が上がった。先生は私の提案をすんなりと受け入れた。 続きを読む
トニックとマッサージ - 揉んだら生えた
父が60代半ばの頃である。この頃は、店では私が主体だったので、父は暇だった。何を思ったのか、毎日、業務用トニックを頭皮に付け、軽くマッサージをしていた。私は、心の中で「そんな事をしても、その年で今更生えるか?生える分けがない」と思っていた。
ところが、 続きを読む
第7話 理容学校
入学式が済んだら記念写真を撮った。当然、入学記念の写真だと思ったら大間違いだった。卒業記念の写真であった。何でも、卒業するまでに、多くの生徒が退学するので、今の内に全員の写真を撮っておくのだそうである。 続きを読む
第6話 無能力の役立たず
私はこの店に入り、三年間というもの、朝から晩まで先生からぼろ糞に言われ続けてきた。他の人は何も言われないのである。いい加減うんざりしていた。終いには慣れてしまい何を言われても右から左へ抜けて、へっちゃらになっていた。しかし、そうなるまでには色々とあった。 続きを読む
第5話 リポビタンDと用心棒
先生は私に、支店勤務の半年間以外は毎日々、三年間続けて、リポビタンDを「1本だけ」近くの薬局へ、買いに行かせたのだ。この薬局は小さな店で、繁華街の中にあるせいか、二日酔いの薬、酔い防止の薬やコンドームは箱無しで中身だけが、それぞれが大量に陳列してあった。そこは最初、初老の経営者と奥さんらしき人がいたが、途中、奥さんらしき人と大学を卒業した位の若い娘とが交代した。この若い娘は経営者の娘か近い親族と思われる。時間によっては娘だけの時もあった。 続きを読む